TOX、普通に楽しいんだけど

中盤くらいまで進めたのかな。もう大体酷評の理由もわかった。良作のエクシリア2が出るとわかっていてやった方が絶対楽しめるのは間違いない。

テイルズシリーズってのは実は10年前から今までどうやって進化していけばいいのかについて制作陣がかなり悩んできたシリーズでもある。他のライバルタイトルに少し引けをとっている感は否めないし、独自の路線を突き進みつつも大衆ウケを狙う二律背反。グラフィックはどういう路線で行くのかなどなど。

新作のアライズが発表された今、やはり未だに意欲的に新しい方向へ突き進もうとしているのが明らかだ。

グラフィックは言うまでもないが、主人公が最近大人びてきているのも、過去のファンの年齢やブームを気にしてんのかな。

 

閑話休題。てかここまでほぼ閑話だが。TOXはもう普通に楽しい。キャラ立ちも良いし戦闘もとても楽しい。

 

何がそんなに酷評されるのかって、単純に15周年タイトルとしては期待外れだったって人がいたのと色々と新しい試みに試そうとしてそれが受け入れられなかったんだろうなという感想である。

 

これは別に否定的な反応を示したファンが悪いというつもりは無い。いきなり行きつけの店が味付けを変えてきたらそりゃ拒否反応を示す人もいるだろう。それと同じだ。

 

まあ、良作ではないかもしれん。何がやばいってジュードくん。クソガキすぎる。面白いくらいクソガキ。

そして周りの大人が彼に甘すぎる。少し人生経験が足りないだけで一生懸命悩んでたのにひたすら責められてたあのエステルを思い出してください。彼女かわいそすぎるよ

 

ジュードくん、ヴェスペリアのパーティにいたら旅辞めてると思う。

 

いや、勘違いしないで欲しいが俺は個人的にはジュードは嫌いじゃない。こういう何も決められず、芯がなく、自分が何者かもわからないような期間というのは大人になるために重要な期間で、それを描いてくれたこの作品はむしろ好きなんだよね。

 

ただ、中盤時点では、確実に、魅力ある主人公では、もう、本当に、全くない。

まず悩み方がとても浅い。描写も「あー迷ってるな〜」というのはわかるんだが、具体的な思考錯誤が全然見えない。その思考の浅さたるや思春期にさしかかり初めて違法サイトでエロ動画を見た中学生のようである。彼を等身大のクソガキとして描きたかったのであれば成功していると言えるだろう。

 

それに、クソガキがクソを発揮して世界や周りからこいつクソガキだなと思われるシーンを少しでもいいから序盤に入れて欲しかった。

特にミラの足の治療のシーンで必要となる機器の使い方も治療法への理解も出来ていないのに親の反対をガン無視して医療行為を行ったところはもう本当に1番のドン引きポイントだった。いや今まで学校で何習ってきたのという感じである。絶対に医学を志す者としてそれはやっちゃダメだろそれはおい。

あと恐らくまだ思考にメタ認知が入り込んでくるほどに発達が進んでいないのだとは思うが、あまりにブーメラン発言が多すぎるのだ。

こういうことを言っていくとキリがないので端的にクソガキというわけである。

 

しかし逆に考えて欲しい。ここまで色々と語れる主人公に私は間違いなく興味をひかれているわけだ。

このクソガキがどう成長するんだろうか。しないならエクシリア2で成長した姿が見れるのだろうか。それはそれで楽しみだな。どこかで大きな失敗をするのだろうか。しないなら最早喜劇だななど。クソガキ要素1つとっても色々と引き込まれてしまう。

 

本作品のジュード視点は、何か問題がありそれを解決するために目的を持って行動していくというヴェスペリアのような形式とは少し違う。

どちらかというと、「謎」の正体がわかっていく感覚に近い。ミラは何者なのか、なぜ四大精霊ともあろう者が閉じ込められてしまうのか、力を失ってどうなるのか、仲間の正体は一体何なのかといった疑問点が心地よい謎となってストーリーへの興味をかき立ててくれる。勿論過去作もそういう流れは大筋としてあったが、本作品ではその色が濃いと感じた。知識も力も意志もない人間が主人公をやっているせいだろう。グラフィックが綺麗なのも相まって、はやく先を見たい、ストーリーを進めたいという衝動に駆られる。

 

そして、戦闘システムから敵の強さ、移動の簡単さ等からもわかる通り、この作品は間違いなく「スピード感」を重要視している。

これが物足りないという人もいる訳だが、私はこの作品をやっていくにつれテンポの良い映画や紙芝居を見ているような気分にもなっていた。エクシリア2が手元にある今となってはボリューム不足も気にならない。

 

他とはやや異質な要素もあるテイルズということもあって、とりあえずプレイして後悔が残る作品ではないと思う。

 

全部終わってからまた総評を書くが、ここからどういうストーリーになっても買ったことを後悔はしないだろう。まあ安かったし。中古だし。

 

恐らくミラが周りから好意を持たれ続けることと、アルヴィンが裏切ることはほとんどの確率で起こるとは思うが。

アルヴィンは裏切らないとむしろ正気じゃねえよこれキャラもぶれるし。ミラはここから仮に1度失望されても絶対に最後は信仰的な好意を持たれて終わるはずだ。ここだけは流石にそういうストーリーにしないと一本筋全てが崩れて本当に駄作になりかねない。どの程度になるかはわからんが、個人的な趣味としては突き抜けてくれた方が良い。

 

ここまでキャラの素材が良いと、エクシリア2がかなり楽しみになるなあ。やっぱ買ってよかったわ。

 

ただ、やはり異色で挑戦的な作品が続くと、昔も懐かしくなる。原点回帰した、王道なテイルズも見たいと思ってしまうわけだ。

 

そう、ゼスティリアはそのような宣伝文句であ売り出されていたはずだ。

 

、、、、。どうしよう。

うーん、機会があれば買ってみるか。

食わず嫌いは、良くないからなあ。少し躊躇いもあるが。